すべての子供に温かい居場所を

~神奈川の里親問題を考える~

いろいろな事情があって、子どもを自分の手で育てられない親御さんがいらっしゃいます。愛される経験がないままに施設で子ども時代を過ごさなければならない人もいます。

里親の下で暮らす子どもはわずか2割!

里親制度は、そんな居場所のない子どもたちのための制度でもあります。

ところが、厚生労働省の発表によれば、実の親の元で暮らせない子どもたちの8割近く(78.4%)が施設で暮らしており、里親に育てられている子どもはわずか2割しかいません。例えばカナダでは里親率は85%程度で推移しているのに比べると、日本では里親率がとても低いことがわかります。国内でも新潟では6割が里親の下で暮らしており、全国平均からすれば群を抜いているのです。

神奈川の委託率はほぼ全国平均並み

神奈川では、3歳未満の里親委託率が34.2%、3歳以上就学前までが59.2%、それ以降が13.8%で、全体では24%の委託率になっています。少子化が進み、出生人数も激減する中、実は施設で暮らす子どもたちの数は年々増加しています。児童相談所における虐待相談対応件数は増加傾向にあり一時保護される子どもの数が増加傾向なのです。

神奈川では、令和11年までに里親委託率を全体で4割まで上げていくという目標を掲げていますが、本来であれば、施設ではなく自分だけを見てくれる人がいる家庭ですべての子どもたちが暮らせることを目指すべきではないかと私は思います。

あかし里親100%プロジェクトとは?

子育て政策では群を抜いている明石市では、あかし里親100%プロジェクトと銘打ってすべての小学校学区に里親を創ること、里親に対するきめの細かいフォローを実施すること、里親の皆さんが活躍できる社会の場づくりなどを推進しています。そして、長期の里親だけではなく、ショートステイ里親(日頃は家庭で暮らす子どもを、親が病気や出産のときに一時的に預かる制度)や、ボランティア里親(施設で暮らす子どもたちで、親族や親との面会が少ない子どもを月に1~2回預かる制度)など制度を増やして、一人でも多くの子どもが温かい環境で過ごせるようなシステムを創っています。

委託率トップは新潟

新潟では、里親の相談会の回数を増やしたり、里親の不安をなくすために伴走制度を作ったり「チームで子育て」を掲げ、里親委託率を6割にまで伸ばしました。

少子化対策を声高に叫んだところで、子どもの数が急に増えることはありません。子育て世代への支援ももちろんですが、親元で暮らすことができない子どもたちが、温かい環境で育つための支援もとても大切なことです。

子育てはチームでやろう!

シングルマザーとして4人の子どもを育てる中で、例えばショートステイ里親のように維持的に子育てを手伝ってくれる制度があればどんなに気持ちが楽だったかと思います。いつもと同じように歩いて学校に行ける距離にサポートしてくれる人がいてくれたら、どんなに心強いことか・・・・。

神奈川の子どもたちが笑顔で暮らせることは、神奈川の親御さんたちも笑顔でいられるということ。そのための制度改革、頑張っていきたいです。

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少子化対策:「恋したくなる神奈川」

投稿者:

Nishimua-Emi

プロフィール>> 日本三景・松島出身。宮城県第一女子高等学校卒業後東京女子大学へ 在学中に東京大学新聞研究所(現・東京大学大学院社会情報学環)に入学。 民間企業でマーケティング職を歴任し、働きながら中央大学MBAを取得 現在 日産自動車株式会社グローバルマーケットサイエンス部にて情報分析のスペシャリストとして勤務中。シングルマザーとして4人の子育ても。 モットーは「ネアカのびのびへこたれず」

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