がんばれ!神奈川の中小企業!!

~オリジナル商品の立ち上げが10%増~

2023年3月3日付神奈川新聞によると、キャンプ用品市場で町工場が自社商品としてオリジナルグッズを作りニッチ市場に乗り出しているそうです。KPI受注企業実態調査によれば、新規事業を検討しているか尋ねた設問では、21・1%が「検討している」と回答。自社製品について「ある」と答えたのは25・7%。「現在開発中」「検討している」を合わせると35・1%と、20年度調査と比べ10ポイント以上伸びたといいます。

神奈川の中小企業支援は十分?

神奈川県には「県よろず支援拠点」という組織があり、中小企業の様々な相談に対応しています。バーチャル商店街も運営していて、相談は何回でも無料。なかなか頑張っておられるようです。

https://www.kanagawa-yorozu.go.jp/

町工場の方が、景気に左右されにくいBtoC市場に対しオリジナル製品を製造販売することで活路を見出したいという意欲が増したことは素晴らしいことです。コロナがもたらしたピンチをチャンスに変えていこうという中小企業の皆様の意欲をどうやったら成果に結びつけられるのでしょうか?この観点からすると、県の支援は必ずしも十分とは言えません。

例えば、上記のよろず支援拠点が運営するバーチャル商店街ですが、中に入っても写真があるだけで、そこで何か買い物ができるわけでもありませんし、商品のラインナップがわかるわけでもありません。通販に対応しているのか、電話番号は?なども見つけられません。

金沢の台所「近江町市場」がすごい

私が注目している金沢の近江町市場と比べてみてください。

https://ohmicho-ichiba.com/

どんなイベントがあって、どんな店があって、どの店が通販対応しているのか?とても分かりやすいサイトになっています。さらに「イチバのハコ」という通販サイトもあり、近江町の歴史や近江町の紹介だけでなく、サブスクリプションで近江町の新鮮な魚が詰め合わせで送られてくるというサービスも提供しています。

https://www.ichibanohako.com/%E3%81%8A%E3%81%BF%E3%81%A1%E3%82%87

サイトがあるよ、相談にのるよ、というだけでなく、実際の「買い手」にとってわかりやすく買いやすいサイトでなければ機能しませんし、相談に乗るという広報だけでなく、基本的なマーケティングの考え方や事例紹介などを動画で見られるようにするなど、本当に中小企業の方にとって「役に立つ」「売り上げにつながる」支援にすべきだと思うのです。

神奈川の経済成長は鈍化するも見通しは悲観的ではない

浜銀総研によれば、神奈川の2023年の景気については、輸出や企業業績の回復ペースが鈍化すると見込み、個人消費もコロナ禍からの回復過程で生じたサービス消費需要などの押し上げが22年度末までに一巡し、23年度は雇用所得情勢の回復に沿ったペースに減速するとみているようです。足元でインバウンドが急速に改善し、神奈川県内には物流拠点の建設が見込まれており、経済が伸びる余力が十分にあると私は見ています。さらに、県内の研究開発費も増加の見通しがあり、悲観的になる情勢ではありません。

十分な資力がある大企業はその成長に妨げになるものを排除するというタイプのサポートが、中小企業にはより実質的かつ実効的な支援策が必要です。

県と市の連携でコスト削減も

先の「よろず支援拠点」は県のサポート事業ですが、実は横浜市にも同様の支援事業があります。「スタートアップポート横浜」がそれで、同様の相談業務やセミナー開催などをされています。“政令指定都市あるある”ですが、県と市で同様の機能の事業や外郭団体が多く存在することで、行政コストがふくらみ、使い手からすればわかりにくくなってしまいます。特に神奈川は横浜・川崎・相模原の3つの政令指定都市を抱える、全国で唯一の県です。大阪では大阪市と大阪府の連携を強め、同機能の事業を集約するなどして、外郭団体を10年で3分の1にまで減らし、行政コストを大幅に縮小することに成功しました。神奈川県も県下にある3つの政令指定都市との連携を深め、機能を一本化することでコスト削減と使い手にとっての「わかりやすさ」を得られるはずです。

ポテンシャルの高い神奈川をもっと前へ

日本をけん引する力のある神奈川。その経済力をもっと強く、もっと前に進めるためには、行政の在り方を変え、市との連携を深めることで無駄をなくす必要があります。持てる力をいかんなく発揮して強い神奈川へと変貌させていきたいですね。

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投稿者:

Nishimua-Emi

プロフィール>> 日本三景・松島出身。宮城県第一女子高等学校卒業後東京女子大学へ 在学中に東京大学新聞研究所(現・東京大学大学院社会情報学環)に入学。 民間企業でマーケティング職を歴任し、働きながら中央大学MBAを取得 現在 日産自動車株式会社グローバルマーケットサイエンス部にて情報分析のスペシャリストとして勤務中。シングルマザーとして4人の子育ても。 モットーは「ネアカのびのびへこたれず」

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