スーパーシティに名乗りを上げた複数の自治体のうち、昨年3月に内閣府からスーパーシティとして認定されたのが大阪府・大阪市とつくば市。私はポテンシャルがあって、新しいことへの許容力も高い神奈川県こそが、スーパーシティとして認定され、プチ独立国のように新たな発展を遂げる端緒につくべきだと思います。
スーパーシティ構想とは?
そもそもスーパーシティとは、AIやビックデータを活用し、第四次産業革命を体現する世界最先端都市の創生を目指して内閣府が基本コンセプトの取りまとめている構想です。
内閣府は、①「複数領域にまたがる社会『未来像』の先行実現」②「欧州モデルをもとにした住民参画型都市の創生」③「地方自治体首長のコミット力強化」④「最先端テクノロジーを実装可能な企業との協力体制構築」という4つの構想を挙げています。
1.の複数領域に関しては、さらに10の領域を挙げていて、
移動・・・ヒトの自動輸送、IoT・データ活用による交通量・駐車管理など
物流・・・自動配送・ドローン配達による人材不足解消など
支払い・・・電子マネー・クレジットカードによるキャッシュレス決済の普及、魅力的なポイント還元制度の拡充など
行政・・・ワンストップ窓口・ワンスオンリー(情報の再提出不要)・ペーパーレスによる、各手続きの効率化など。
医療&介護・・・ITを活用した遠隔診療、介護補助ロボットの実装、医療・介護ノウハウのAI分析・見える化による効率的な人材育成、ラストワンマイルの医薬品ドローン配達など。
教育・・・オンライン教育による人材育成、パーソナルな行政データの活用など。
エネルギー・・・スマートシステムを活用した、上下水・電力・通信インフラの最適管理など。
環境・ゴミ・・・スマートシステムを活用した、リサイクルの一括管理によるCO²削減、資源保護の徹底など。
防災&緊急・・・デジタルマップを活用した防災システムの構築、緊急時の自立エネルギー供給、自動運転救護車両・作業ロボットの実装など。
防犯&安全・・・巡回ロボット、遠隔監視など。
というもの。どの領域でも技術的には実装可能なものになっていますが、これらをまとめて一つの先端都市としてまとめていくということが求められるわけです。
私たち住民が直接行政につながる!
スーパーシティでは、私たち住民が参加して街づくりが進むということも重要視されています。知らないところで、既得権益を手放したくない人たちによって捻じ曲げられてしまう行政にNO!を突き付け、私たちのことを私たちで決めるという「当たり前」のことをちゃんとやれるように、システムづくりをしようということです。個人情報のこともあり、なかなか一足飛びにはいかないものの、つくば市ではインターネット投票も可能にしたいと言っており、選挙だけでなく、重要なことは即座に直接住民が賛成反対を投じられるようになるかもしれません。
知事、市長が本当のリーダーとなれるか?
ここが一番の難関なのかもしれないと私は思っているのですが、スーパーシティの実現には首長の強いリーダーシップが必要になります。取り扱い領域も広く、そこにつながるデータは膨大で、ステークホルダーも多岐にわたり、住民の多様な価値観に対応し、未来都市へと進めていくのですから「前へ」という強い意志とたおやかな精神力がなければならないでしょう。内閣府はそれゆえ、首長の強いコミットを求めています。
民間活用がカギを握る
内閣府は、行政だけではこれが実現できていくとは到底思っておらず、民間の持てる力を複合的にまとめ上げ、協力体制を築いていくことも同時に求めています。神奈川県には日産自動車という世界に冠する自動車会社があり、デジタルの雄富士通があります。導体製造装置や5G関連設備、クラウドサービスといった電子デバイス・DXサービスを扱うマクニカ・富士エレ ホールディングス、健康をつかさどるココカラファインもありますし、金属加工で世界的評価が高いアマダもあります。この神奈川の企業の皆様のお力添えをいただいていけば、新しい未来都市へと突き進んでいくことができるはずです。
スーパーシティで私たちの暮らしはどうなる?
では、スーパーシティになると私たちの日常はどんなふうになるのでしょうか?
(ここからはかなりのところ私の妄想ですが・・・)
朝めんどくさいな~の第一位はゴミ出し。スーパーシティではごみは自動収集になるので、いつゴミ出ししてもOK。自宅のダクトにポンと放り込むだけです。自動運転のタクシーをアプリで呼べば、どこに行くのも楽ちんですし、過疎化が進む地域でも買い物も病院もスムーズに移動できます。防犯カメラの連携が進んでいるので、子どもたちの登下校も女性の一人歩きも安心。
学校では海外とつないで異文化を学んだり、語学もネイティブとの会話から学ぶことができます。家のトイレが健康診断を毎日してくれるので、異常があれば教えてくれますし、病院ともオンラインですぐにつながり、必要に応じて医師や看護師が訪問してくれます。
住民票や印鑑証明書の取得など行政サービスは、オンラインでできてしまうので、長い列に並ぶことも、長時間待たされることもありません。
交通渋滞も死語になりました。交通をモニタリングし、適切な誘導が可能になったからです。宅配にはドローンが活躍し高層階の部屋まで重いものでもかさばるものでも運んできてくれます。地震や災害が起きると、住民にはいろいろなデバイスを通じて告知され、個人の状況におうじた避難誘導がなされます。動けない方や介助が必要な方にも素早く必要な支援が届けられます。
こんな街は、もう夢の話ではありません。神奈川県が本気でやる!と決めて動き出せば、そう遠くない未来に実現できます。
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